オールドノリタケとは

現ノリタケカンパニーが1891年から1945年までに製造した陶磁器の総称です。
その大部分は白くて硬そうな白色磁器として作られたものです。

サイン入りのオールドノリタケ

花や、風景などをかいた製品の中にはときたまサインが入っているものがあります。サインは、手描きのものと、印のものがあります。Y.ASURO,M.EASILY,N.HAYASHI,M.IJIRI,K.KATO,K.KAJI,S.KURATA,K.SHINOKI,K.SHINO,S.TAKAHASI,I.TAKESHI,
H.TAKAGI,Y.TANAKA,B.FUSHIMI,A.HARUNO,F.HONDA,T.HOWZAN,B.MURASEなどがあります。

オールドノリタケの偽物

オールドノリタケにも他の西洋陶磁器と同じく偽物が存在します。偽物は裏印では判別不能なものもあります。ここ2,30年で出てきた偽物は、裏印は本物そっくりであり、生地の質と色、重さなどで判別するしかありません。私は写真でしか見たことがありませんが、確かに本物と比べて重たい感じがします。絵付け的にはきれいなのですが、オールドノリタケ独特のやさしい雰囲気はありません他にもオールドノリタケが製造されていた陶磁の類似品と言うものもあります。これは、裏印で判別可能ですが、オールドノリタケの裏印を見慣れていない人にとってはむずかしいかもしれません。いずれにせよこのような偽物に当たらないためには、多くのオールドノリタケを見て、自分の心に響かないものがあれば、疑問を持ち、また、オークションよりもずっと信頼の置ける店舗におかれているオールドノリタケをみて眼力を養うことが近道です。慣れてくると、真贋の区別と言うのは、物理的な理解だけで行うものではなく、精神的な立場から見ることも重要であることに気づくでしょう。そうなれば、陶磁器、骨董品は楽しくなる一方です。そうなるまでの道のりは、険しくはありませんが、あっというまでもありません。地道に眼力を養うことが肝要です。オークションで信頼の置ける出品者の品物を見るだけでも、目は肥えます。是非目を肥やし、真のコレクターになってください。

盛り上げ

磁器の上にチューブ(イッチン)で泥しょうを載せて模様や絵を描く技法。色絵の具を重ねて塗っていく場合もこの言葉が用いられます。1920年代初めまで生産されていたと考えられています。盛り上げで描かれる題材には、花、龍、模様、木、鳥、などがあります。単なる白や黒の盛り上げのほかに、金盛り上げやそれに加えて宝石のような盛り上げをしたものもあります。金盛り上げは金色を盛り上げるのではなく盛り上げをした上に金彩を施したものです。目的は絢爛豪華に見せることにあったようです。

モールド

磁器を立体的に形成した上に絵付けをしたものです。磁器を立体的に作るのは石膏の型にいれていました。これにより通常のロクロではつくれない形を作ることが可能になりました。モールドの製品は主にあめりかすY向けだったようです。製作期間は1910年から1920年と考えられていて、後半になるとラスター彩によるアールデコのものも見受けられます。図案には犬やらくだ、馬などがよく見受けられるようです。他にもライオン。、鳥、りす、インディアン、葉、木の実、果物などもあります。


オールドノリタケ購入語録



数少ないオークション以外で買った骨董品の一つです。銀座のアンティークモール銀座で買いました。アンティークモール銀座は、以前に上大岡の京急百貨店に催事で来ている時に知り、しばしのときを経て、銀座まで出かけ、骨董品が物によっては意外と安くショップでも買えることを知り、購入しました。最初に買ったのは、この花瓶ではなく、名古屋製陶所の金彩のお皿なんですが、きっとまだなにか安く買える骨董品が埋もれているに違いないと信じ出向いて見つけたのがこの花瓶です。3万円程度と大して安くはないのですが、花瓶として程よい大きさと、シンプルながら描かれた舟が気に入って購入しました。オークションはまさにコレクションを集めるために存在しますが、ショップはショップでコレクションを集めるのみならず、コレクション魂に磨きをかけ、目を肥やし、肌触りや実物の色合い、感触を知るために存在します。この花瓶もオークションで買えば、一万五千円程度で買えるのではないかと思いますが、まあ、それはそれでよし、安く買うだけが能ではありませんし。水を入れて飾るのももったいなく、ショーケースに入れて飾っています。金彩はいわゆる金ではなく、水金のようです。光り方がにぶいので。裏印は見たら、M-NIPPON印でした。上物ではありませんが、佳品だと思います。

こぼれ話

M-NIPPONとM-JAPAN
裏印がどうしてM-NIPPONからM-JAPANになったか知っていますか?時は1891年3月のことアメリカでは輸入するすべての品物に原産地名表記を義務付けました。これによりノリタケは原産地名としてNIPPONを採用したのです。現在NIPPONは日本の名前として世界にも知られた単語となっている感がありますが、当時まだNIPPONはもちろん英語として通用している単語ではありませんでした。これにたいして、1918年NIPPONは英語として正しくないと言うことで、再びアメリカが表記を直すように日本に通達したのです。この通達がいきわたるまで3年を要しました。というわけで、M-NIPPON印は、1891年から1918年まで使われ、M-JAPAN印は1918年から太平洋戦争の始まる1941年まで使われることとなったのです。裏印一つとっても歴史があるのですね。

オールドノリタケ本の紹介

オールドノリタケコレクターズガイド 1891-1945」 木村一彦&葵航太郎 トンボ出版 2003
この本はオールドノリタケの基礎知識から、様々な技法のオールドノリタケ製品のジャンル別写真を詳しくわかりやすく載せた本です。裏印に関する情報も最もよく載っている本ではないかと思います。オールドノリタケを集めようとする人にとってのまさに必携本といえるでしょう。

オールドノリタケ名品集 里帰りした陶磁器」 若林経子 大賀弓子編 平凡社 2001
テクニック別 デザイン別にオールドノリタケの写真が紹介された本で、掲載写真の現物の質の高さは非常に高いです。テクニックでは、盛り上げ、金盛り、モールド、タピストリー、ビーディング、エッチング、ウェッジウッド風、コバルト、テーブルウェア、と続き、デザイン別では、ポートレート、インディアン、花、バラ、鳥、動物、くだもの、風景、ジャポニズム、シノワズリー、オランダ、ギリシア、エジプシャン、メルヘン、珍しいもの、アールデコ、と続きます。後半は、ノリタケの歴史的背景に関する情報が、書かれています。

華麗なるオールドノリタケの世界 オールドノリタケ名鑑」 森川崇洋 マリア書房 2003
アールデコ期の作品をページの半分をつかっって紹介している本です。アールヌーヴォー期のも半分使って紹介してます。巻末にアールデコ期の作品の説明が少し載っています。

オールドノリタケと日本の美」 大賀弓子 平凡社 2002
大倉集古館85周年記念展とオールドノリタケの美の競演をを軸に写真が展開していきます。花鳥を題材にした双方の作品がまずあがり、龍の作品、金彩、墨絵と続きます。

オールドノリタケ 開国150周年記念展 帰ってきた陶磁器たち 開国日本の礎・森村市左衛門がいまに伝える オールドノリタケ記念展実行委員会 2004
三渓園の三渓記念館で2004.6.1から2004.6.30まで開催されたオールドノリタケ展の図録です。花瓶の紹介がとても多いです。他にもお皿などもあります。アールデコ期の紹介は数ページにとどまっています。

ノリタケに     惹かれ始めて         思うのは 古き良き日の     日本かな
カップアンドソーサーコレクション 展示点数12点
プレートコレクション 展示点数14点
バリアスコレクション 展示点数9点

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オールドノリタケ館

OLD NORITAKE