本物の見分け方


      ウェッジウッドのモカカップ



      ウェッジウッドのBBプレート

 
  明治期の山水画皿



   江戸後期の鳥梅図皿

1 陶磁器をあまり見ない人が突然その陶磁器の作られた年代を当てようといってもそれは不可能な話です。どんな分野でも、方法の差はあれども勉強しなければわかるようにはなりません。陶磁器の場合、写真を見て知識と感性を磨く、現物を見て、実物の持つ実際の雰囲気を感じ取ると言う、二段階の方法が必要です。写真だけ見ていても、現物を見なければ、それがいったいどんなものなのかはわかりません。現物だけ見てればいいと思うかもしれませんが、現物を見ることが出来るのはごく限られた品物だけであり、やはり、写真を見ることによって、様々な種類の陶磁器を気軽に鑑賞することが出来ます。美術館に行くのも一つの方法ですが、陶磁器の展覧会と言うのは意外と少なく、また、作家物を除いて、陶磁器の展覧会はごくまれです。写真であれば、陶磁器の本のコーナーに行けば、日本のものも,西洋のものも説明つきで見ることが出来ます。
2 素人でも出来る見分け方ということで述べていますが、実際問題、何も知らない素人が鑑定するのは不可能であり、陶磁器を専門に扱っているわけではない人と言う意味の素人がどういうふうにすれば、本物もしくは、良いものとそれほどでもないものを区別するのかを述べたいと思います。はじめのうちは、陶磁器は時代よりも、手描きなのかプリントなのかに力点を置くとよいと思います。この場合、現物をとって見る方が効果的です。写真では手描きなのかプリントなのかは判断がちょっと難しいと思います。正直言って現物を見てもどちらなのかが区別できにくい品物もけっこうあります。技術的に高度なものは、プリントでも手描きのような魅力がある場合があり、一概には言えませんが、陶磁器として価値のあるものを求めるならば、手描きのものを求めるのは、自然な流れであり、また実際、手描きのよさをわかってくると、プリントしたものはとてもつまらないものに見えてくるから、不思議です。時代は、いろいろな本でいろいろなことがいわれていますが、本当のところ、小手先のテクニックで、時代を知ったところで、当てはまる場合と当てはまらない場合がある法則は応用が利かないという点で、好ましくありません。私が今まで品物を見てきてわかったのは、時代は、品物の風合いで見るということです。状態で見たり、色合いで見たり、形態で見たり、デザインで見たりいろいろなことが言われますが、どれも、模して作られたものはそのような点を考慮して作られるわけであり、見分けるのに必ず有効ではありません。風合いというのは、品物そのものが持つ雰囲気といってもいいかもしれません。もちろん、雰囲気に流されてしまうことはありますが、なれてくると風合いを感じ、その品物の風合いそのものと対峙できるようになります。そうなると、たとえ、品物の知識がなくても、これは、とてもよいものだ、これは甘手だ、とか、これは、まあまあ古いものだとか、いろいろなことがわかってきます。作家物にしても、自分の好みとは関係なく、よしあしがわかってくるから不思議です。風合いを見るコツは、好みに左右されないと言うことです。どんな陶磁器も素直に向き合うと言うことです。そうすれば、玄人顔負けの感性を持った素人が完成します。技術や知識、情報はなくても、感性が磨かれれば、陶磁器は、だまされるということがほとんどなくなるでしょう。みなさんもこういう方法でやってみると陶磁器が楽しくなります。
新品陶磁器の買い方
新品はデパートに行けばどこでも扱っていますし、買うこと自体はとても簡単です。

1 海外の陶磁器を買うには

海外の陶磁器は、デパートでもたいていのところで扱っています。ここでは、どうすれば安く買えるのか、どこにいけば安く買えるのかをお教えします。
デパートは定価だと思われるかもしれませんが、中にはポイント還元を行っているデパートもあります。そのようなデパートに行けば、場合によっては10%くらい安く買えることもあるかもしれません。
世の中には、並行輸入ショップというのが存在します。これは、海外の陶磁器を2割から5割くらい割り引いて売っているお店で、基本的には、仕入れ方が違うだけで、ものは同じです。箱なども付いていますし、私はもっぱら、並行輸入ショップで、海外の陶磁器は買っています。とはいっても、世の中のどこにでも、あると言う店ではないので、私の使っている店をお教えすると、「SOHBI(創美)」という店がそうです。検索すると出てくると思いますので、興味がある方は見てみてください。大体市価の2割から5割安で、買うことが出来ます。皆さんは、特に陶磁器を買う歴が浅い人は、こういう店の存在を知らず、デパートで買う場合が多いようですが、デパートで手に入る商品のたいていのものは、こういった店でも手に入るので、ほしい食器が多くなってきたら、是非とも利用することをお薦めします。中にはデパートでは手に入らない商品も入荷することがありますし、とても得をした気分になります。

2 日本の陶磁器を買うには

日本の陶磁器は、デパートでも良いし、ショップでもいいと思います。とはいってもどのところでもというわけではなく、陶磁器の取り扱いが元気なところがいいでしょう。陶磁器の様子を見れば、その店の陶磁器が、どんなものを扱っているのか、どんな風にディスプレイされているのかがわかります。商品が見やすく並べられていて、カテゴリー別に購入者にとって親切な配置をしているところなら間違いないと思います。デパートでは作家物などは、作家が来店して、実演販売をする場合もあり、そういうときなどは、いつもより安く売る場合もあるので、陶磁器に興味があるのであれば、まめに自分がめぼしをつけたデパートに行ってみましょう。そしていえるのは、週に一回くらい行ってみて、いつも同じものしか置いていないところは商品の回転が遅い証拠ですので、別の店を探したほうがいいかもしれません。
アンティークショップへ行ってみよう

アンティークショップははじめのうちはちょっと入りづらいかもしれません。そういう場合はまずはモールタイプのアンティークショップへいってみましょう。東京ではあんてぃーくモール銀座が有名です。モールタイプというのは数多くのアンティークショップの集合体で、様々なジャンルのアンティークを見ることが出来ます。


          大正九谷の皿



    ロイヤルコペンハーゲンのトリオ
ヤフーオークションをうまく使おう

ヤフーオークションは骨董品を買う場合に非常に有効です。オークションの「アンティーク、コレクション」から「骨董品」に入ってみてください。陶磁器は西洋陶磁器と東洋陶磁器にわかれています。ここで、良いアンティークを買う方法をお教えしましょう。まず、それが作られた年代がわかるものを購入するということです。西洋陶磁器であればバックスタンプを見てみればいいし、東洋陶磁器はそのデザインから判断すればよいのです。オークションでは写真を見てその商品を判断するわけですから、写真が鮮明でなかったり、少しでも判断材料が足りないと思うオークションは手を出さないか、もしくは質問をして、情報を確実に得ましょう。写真を見てもその商品がどんなものかがわからないことは、骨董品の場合特に多くあります。ですが、市価の五分の一程度で買える機会をみすみすのがすよりは、そのような機会を有効に活用したほうが、少ない元手でよりすばらしいコレクションが出来上がります。オークションで重要なのは、商品を出品している人が、その手の商品を多く出品していて信頼の置ける出品者なのかどうか、そして、商品の説明に信頼性がおけるのかどうかです。陶磁器の場合、骨董品のところに出品されていても多くの場合ここ十年の商品が数多くあります。そのため、もし本当に骨董品と呼べるものを見ることで目を肥やしそのような金銭的価値もついてくるような品物を手に入れたければ少なくとも80年以上前の品物だと明記されていて、かつ手描きもしくは手彩と記されているオークションに的を絞るべきです。検索キーに「アンティーク」といれてもいいし、「手描き」もしくは「手書き」といれても良いと思います。いろいろな品物を見ているうちに値段もほどよくデザインも自分好みの品物がきっとでてくるはずです。逆に言えばそういう品物が出るまでは入札を控えたほうがいいかもしれません。さて、商品を落札したときのことを考えましょう。落札後諸手続きによって最終的に手元に商品が届いたら写真で見たときとの違いを感じてみましょう。陶磁器の場合、写真と現物で印象が違う場合が多くあります。写真よりも黒ずんでいるとか、暗い感じだとか、逆に明るい感じだとか、色々なケースがあると思います。それはそれで、よしとしましょう。自分の手元においておくうちに次第にその品物に対する印象が変わってくるかもしれません。できれば、飾っておくか、使うためにしまっておきましょう。買った品物をしまいこんでは、せっかくの目を肥やす機会が減ってしまいます。ぜひ、表に出しておきましょう。できれば、自分でその商品の写真を撮って、保存しておくといいかもしれません。そうすれば、しまってしまっても、忘れられることなく、いつでもその品物が見られます。


     オールドノリタケのスナックセット
骨董品の買い方

骨董品の価値は、金銭的価値は多少別ですが、買う人、そして持つ人本人が決めるものです。将来値上がりするものを探したり、今現在高値で取引されるものを安く手に入れようなどとは考えないほうが、賢明です。そうすることによって、豊かになるはずの心が、蝕まれますし、集めるのではなく、売るために買うということで、コレクションを形成する機会が失われることになるからです。私は、一貫して一生涯持っていても手放したくないものを買うという方針で骨董品を集めてきました。この方法はきわめて有効です。本当のところ、骨董品に限らずどんなものも一生涯持っていたいものを買うことは、無駄遣いをしない究極の方法です。この世の中でそのような購入の仕方をしていない人がほとんどなのはきっと、もしそんなことをすれば買うものなどなくなってしまうと言うふうにおもってしまうからでしょう。本当は、逆に買うものは増えるぐらいなのです。一生涯持っていたいものを買うということはつまり、結婚しても年老いてもそれを手放さないと言うことです。それはたんなる物理的欲求の矛先ではなく、もっと純粋な購入の動機がそこに存在します。つまり、生活を豊かにすると言う目的がそこにはあります。人生を豊かにするものにお金を使うことをためらう必要はありません。どんなものもそれが人生を豊かにするのであれば、買うことが出来るのです。このことから人生を豊かにしない買い物、お金の使い方があることに多くの人は気づくでしょう。人それぞれ人生の豊かに仕方は違います。人はこれだけを忘れなければいいのです。それは、人生を豊かにするか否か?
私の場合

私の場合は初めて骨董品を素敵だと思ったのは、マイセン庭園美術館でした。そこのショップには何十年も前の日本で作られた西洋陶磁器があり、今思えば、多少高い買い物でしたが、色々な変わったデザインの陶磁器を見るにつけ、伸びる手が止まらなくなったものでした。その時に買ったもので、今見てもこれは価値があると、思えるものは、わずかに数点ですが、金銭的価値はどうであれ、コレクションとしての価値を考えれば、これはいらなかったと言うものはほとんどありません。


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骨董品を素敵だなと思う人は

骨董品と言えば、陶磁器が思い浮かぶくらい陶磁器の骨董品はメジャーなものです。なのにアンティークの陶磁器を買う人はあまりいません。なぜでしょう?それは、アンティークがいわゆる真贋を見極める目が必要だからではないでしょうか。
確かに、古い陶磁器すべてに価値があるわけではなく、中には当時の雰囲気をまねて作った偽物も存在します。でもちょっとまってください。骨董品を見ていて、目を奪われたのにそれに手を出さないまま、偽物をつかまされることを恐れ続けていては、いつまでたってもアンティークを見る目は養えません。そうです。まず手を出してみるのです。1000円2000円だって、例えばヤフーオークションを見れば、けっこう素敵なアンティークが買えます。要は、自分がああ素敵だなと思ったものをまずは、とても安いものから買ってみるのです。1000円2000円ならたとえそれが本物じゃなくたっていいじゃないですか。反対意見があると思います。もし、極力偽物をつかみたくない場合は、ウィンドウショッピング(オークションも含めて)を長く続けることです。写真で見るだけでも目は自然と肥えて来ます。そのうち、ああ、これは間違いなく本物だな、と思える品物が必ず出てきます。そうしたら、それを買えばいいのです。そうやって、人は、だんだんと力が付いていくのです。食わず嫌いにならずにまず見てみてください。そうすれば、必ずだんだんと、わかることが出てきます。
はじめに

骨董品は現代物がそうであるように玉石混交です。ここでは、骨董品の価値の計り方とその購入の方法を私なりに述べたいと思います。
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骨董品(アンティーク)陶磁器の素敵な買い方ガイド